当院で実施できる検査

当院で実施できる検査

当院でできる検査

視触診

座った状態または仰向けに寝た状態で、乳房の左右差、変形、皮膚の変化がないかをみます。手の平で触ったり押したりして、乳腺のしこり、乳頭からの分泌液、リンパ節の腫れがないかを調べます。

マンモグラフィ(乳房X線検査)

乳房専用のX線機器(マンモグラフィ装置)を用いて行います。検査着の前をまくり、乳房を圧迫板に挟んで薄く伸ばした状態で撮影します。片方の乳房に対して2方向(内外斜位方向、頭尾方向)の撮影を基本とします。  

この検査では乳腺の腫瘤(しこり)、微細石灰化、構造のゆがみなどを検出することができます。特に微細石灰化を見つけることを得意とする検査です。


*乳房の圧迫について
乳房を薄く伸ばすことで乳腺が広がり、病変を見つけやすくなるため、乳房の圧迫はとても重要です。乳房を挟むことで痛みを伴いますが(年齢や体格などによって個人差があります)、担当技師がすべての方が少しでも楽に検査を受けられるよう丁寧に対応します。検査中もお気軽にお声かけください。



注意:マンモグラフィ検査を受けられない方

◇植込み型心臓ペースメーカー・除細動器を装着されている方
◇皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート(CVポート)を留置されている方
◇脳室-腹腔連絡術(V-Pシャント術)を受けている方
◇豊胸術を受けている方

胸部に埋め込み型の機器がある方は、撮影時の圧迫によって機器の位置がずれたり、破損する恐れがあるため、原則としてマンモグラフィを受けることはできません。

豊胸術後の方は受けられた手術の内容によってはマンモグラフィを実施できる場合もあり、個別に対応します。お気軽にご相談ください。

乳腺エコー検査(超音波検査)

乳腺に超音波を当てて跳ね返ってくる超音波を検出することで乳腺の状態を調べます。ベッドに仰向けで寝た状態で乳房にゼリーを塗り、検査器具(エコープローブ)を乳房にあて、モニターを通じて乳房内を観察し、画像の記録を行います。
この検査では乳腺のしこり(腫瘤)、乳管の拡張、石灰化を伴う領域、構造の歪みなどを検出することができます。特に小さな腫瘤を見つけることを得意とする検査です。
エコー検査はどなたでも受けることができます。

針生検(病理組織検査)

乳がんの可能性がある病変(不整な形の腫瘤など)を認めた場合に、診断を確定するために行う検査です。
この検査を行うことでその病変が乳がんなのか乳がんでないのかをほぼ確実に区別することができます。

手順

  • エコー検査で病変を確認します。
  • 皮膚をアルコール綿で消毒します。
  • 針穿刺部の皮膚と周囲の乳腺組織に麻酔薬(1%キシロカイン)を注射します。
  • 生検機器を用いて、皮膚の外から病変に向かって針を出して、病変の一部を採取します。
    とれた組織の量に応じて2-4回程度採取します。
  • 生検部を皮膚の外から5分間程度圧迫します。
  • 出血(生検部が腫れてくる)がないことを確認したら、検査終了です。

生検結果について

採取した組織を外部の病理診断科に提出し、数日~1週間後に結果が当院に到着します。
結果説明のためにご来院いただき、結果に応じて今後の相談をします。

血液検査(血液一般、腫瘍マーカーなど)

乳腺炎、乳がん術後、薬物療法中の方など、必要に応じて血液検査を行います。外部の検査会社に提出し、翌日に結果が当院に到着します。
検査結果が到着したら、医師のコメントを添えてデータや郵送でお送りします。次回受診の際に詳細を説明しますが、検査結果によってはご来院いただくこともあります。

腫瘍マーカーとは?

腫瘍マーカーはがん細胞やがん細胞に反応した細胞によって作られる物質です。がんの種類によって作られる腫瘍マーカーの種類が異なり、乳がんではCEA、CA15-3、NCC-ST439などがよく使われます。腫瘍マーカーはがん細胞数に応じて増減すると考えられていて、治療効果をみたり、再発を推測するのに使われることがあります。しかし、100%正確なものではないため、あくまで補助的な役割にとどまり、正確な診断には追加の検査が必要です。当院では乳がん手術後に定期的に腫瘍マーカーを測定し、基準値を超えて増加傾向がある場合にCT検査、骨シンチグラフィなどの精密検査を検討します。