よくある症状(旧)

特に注意が必要なのは、「乳がんの可能性がある症状」と「乳腺炎の症状」です。
これらの症状を認めた場合は,早めに乳腺専門クリニックをご受診ください。それ以外の症状でもお気軽にご相談ください

【乳がんの可能性がある症状】

■ 乳腺にしこり(腫瘤)を触れる

乳がんのしこりと良性疾患(線維腺腫,嚢胞など)のしこりにはそれぞれ特徴がありますが,触っただけでは区別が難しいことも多く,乳腺専門クリニックでの精密検査(エコー検査,生検など)が必要です。

乳がんを疑うしこり
・硬い(弾力性がない,板のような感じ)
・形がはっきりしない(丸くない,しこりの境界がわからない)
・周囲の組織(皮膚など)と一塊になっている(皮膚としこりが一緒に動く)
・しこりの動き(可動性)が悪い(根をはっているような感じ)
・しこりの上の皮膚に変化がある(へこみ,でっぱり,赤み,ただれなど)

良性疾患(線維腺腫,嚢胞など)を疑うしこり
・やわらかい(弾力性がある,ボールのような感じ)
・形が丸っぽい,しこりの境界がはっきりしている
・しこりの動きがいい(皮膚の下で滑るように動く)

■ 乳腺に硬いところ(硬結)がある

乳腺に部分的(片側のある部分,片側全体)に硬いところがある場合は注意が必要です。
左右の同じ場所を比べて左右差がない場合は問題ないことが多いです。
乳腺症でも乳腺が硬くなることがあります。

■ 乳頭から色のついた分泌液がでる

乳頭付近を絞るように圧迫した時に,乳頭先端の1つの穴(単孔性)から血液の混じった分泌液(赤,黒,黄色に近い色)がでる場合は,その奥の乳管の中に病変(乳管内乳頭腫,乳がんなど)がある可能性があります。
乳頭先端のたくさんの穴(多孔性)から分泌液が出る場合,分泌液の色が透明~白っぽい場合は,乳管の中の老廃物のようなもので,問題ないことが多いです。

■ 乳房が変形している,左右差がある。

乳がんが広範囲に広がることで病気のある側の乳房が変形して大きくなったり,逆に硬く小さくなることがあります。乳がんが原因の場合は,乳腺のしこりや硬結,皮膚の変化などを伴っていることが多いです。
もともと乳房に左右差があってずっと変わっていない,乳腺の手術後などで原因がはっきりしている場合などは問題ありません。

■ 乳房の皮膚がへこんでいる,ただれている

乳がんが皮膚まで広がることで起こることがあります。乳がんが原因の場合はその皮膚の下が硬かったり,しこりを触れることが多いです。

■ 乳頭が陥没している,ただれている

乳がんが乳頭まで広がることで起こることがあります。乳がんが原因の場合は乳頭の下が硬かったり,しこりを触れることが多いです。
生まれつき乳頭がへこんでいて(陥没乳頭),ずっと変化がなく,それ以外に症状がない場合は問題ありません。

■ わきの下(腋窩)にしこりを触れる

 

腋窩のリンパ節はいろいろな原因(けが,ワクチン接種,リウマチなど)で腫れることがありますが,乳がんのリンパ節転移が原因のこともあります。
リンパ節の腫れが一過性であれば問題ありませんが,原因が不明で腫れが続いている場合は乳房の検査をおすすめします。

【乳腺炎の症状】

■乳房に強い痛みがある
■乳房皮膚に赤み(発赤)がある
■痛みのある部分が硬い(硬結)
■膿がでる


乳腺炎を起こすと,痛み,皮膚の発赤,硬結を伴うことが多いです。
数日で自然によくなる場合は問題ありませんが,症状が日に日に強くなる,発熱(目安:37.5度以上)を伴う,膿が出る場合は,早めに乳腺クリニックを受診してください